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2015年12月に販売開始
カクセール
目隠しフェンス対応擁壁
高さ最大1800mmの目隠しフェンスを立てることができ、風速36m/sまで耐えることができる擁壁です。L字型なので境界線の際に設置できるほか、フェンスを直接本体に差し込むことができるので土地を広く使えます。
どんな住宅にも違和感なく設置できるよう、シンプルですっきりしたデザインになっています。
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カクセール愛されストーリー
カクセールの前に発売した武井工業所として初めての宅地用製品、「シキール」。生コンクリートを打設しなくても良い手軽さや、使い勝手の良いサイズ感、そしてメッシュフェンスを直接立てられる便利さから、職人不足の現場で大きな支持を得ることができました。
その現場で上がったのが「メッシュフェンスの代わりに目隠しフェンスを立てたい」という声。シキールのコンパクトさはメッシュフェンス用だからこそ実現したもの。それと似たサイズ感で、かつ目隠しフェンスが受ける風圧にも堪えられる擁壁を開発することになったのです。この開発の肝は、最も現場での必要とされる高さ1500mmの製品を2トン以内に抑えること。2トンを超えた製品をトラックから下ろすにはクレーンを別で用意しなくてはならず、お客様の経費や現場の手間となってしまうのです。
そして設計の工夫などを重ねて完成した「カクセール」は、シキールの壁に比べわずか3cm増。コンパクトな形にも関わらず目隠しフェンスを立てられる、プレキャストコンクリート業界でも先駆的な製品が誕生しました。
梅山 英晃
営業としてカクセールの良さを
お客様に直接届ける
コンビニエンスストアの造成でよくシキールを使ってくださっていたお客様から、ある日「シキールに目隠しフェンスを立てていいですか?」と言われました。コンビニエンスストアと民家との間に目隠しをするために使いたいということだったんです。しかしシキールはメッシュフェンスこそ立てられますが、目隠しフェンスを立てると風圧がかかり安全ではありません。
そういうわけで最初はシキールの横にブロックを施工してそこに目隠しフェンスを立ててもらっていましたが、やはり目隠しフェンスを直接立てられれば土地も広く使えるし舗装も簡単。それを社内で提案したのが「カクセール」の始まりです。
シキールと隣同士で施工しても違和感が無いサイズ、というのが最初からの意図でした。
当初は「そこまで売り上げは無いだろう」と思っていたカクセールですが、実際に使っていただいた方が「こういう便利な製品があるぞ」と広めてくれるようになりました。他にもネット検索をして見つけてくだる方がいたり、東京から問い合わせをいただいたりして、製品の独自性と需要に手応えを感じるようになりました。
メッシュフェンスやガードレールを立てるプレキャストコンクリート製品はあっても、このちょうど良いサイズ感で風圧に耐えられるものってそんなに無いんですよね。
武井工業所では時代に合った新製品を作り続けることを大切にしていますが、提案に関わった製品がこうして世の中に認知されるようになるまでは、やはり緊張します。でもおかげで製造が間に合わなくなるほどとなり、型枠を増やすことができました。
当初「カクセール」の支柱孔は丸形でした。開発のきっかけとなったコンビニエンスストアで丸型の支柱が使われていたんです。でも、のちに目隠しフェンスの多くは角型の支柱だとわかったので仕様変更をすることになりました。
大変だったのは、壁の厚さと支柱孔の大きさバランスです。より強い風に耐えられるようにするには、より太い支柱孔が必要。
重量を抑えるために壁は180mm以上にできず、支柱孔を大きくするとコンクリートの厚さが足らない部分が出てしまいます。たくさんのフェンスメーカーの仕様を調べて、一番需要があると想定される太さの支柱に合わせて仕様変更しました。
「最初の製品化で壁を200mmとか250mmにしておけば簡単だった」とも思いましたが、その厚さでは多分カクセールは売れなかった。製品化や仕様変更では、お客様の使いやすさと強度との兼ね合いを常にこうして考えているんです。
小野寺 謙史
設計チームの一員として規格化に携わる
カクセールのベースとなるL型擁壁は本来、土留めをする製品です。その擁壁に直接目隠しフェンスを立てるので、風による圧力と土圧、その両方に耐えなければいけません。
そして宅地で使うことを想定しているため建築基準法に適応しなければならないことから、風の強さや目隠しフェンスの面積などから風荷重を割り出し、強度を計算する必要もあります。
初めて知ったのですが、地域ごとに基準風速というのがあるんです。沖縄は台風もあって基準風速が最も強く、そこまで対応すると大きな重量になってしまう。
今回の開発では重量を抑えることを目標にしていたので、茨城県内陸の基準風速36m/sに対応する製品を作ることになりました。宅地用製品の開発ではこの風荷重のように新しく取り組む課題が多く、チームメンバーみんなで勉強しながら進めていきました。
現場で一番使いやすいと想定した高さ1500mmのタイプは、風圧のこともあり最初は重量が2トンを超えてしまったんです。2トン以下なら簡易なクレーンで製品を現場に下ろせますが、それ以上だとトラックから下ろすために経費が余分にかかってしまう。
なるべく簡単に扱えることが愛される製品に繋がるだろうと当時の設計課長と話し合って2トン以内に収めようと、どこが削れるか、設計上で何ができるか、どの地域に基準風速を設定するかなど、何度も構造計算を試みて規格を決めていきました。
開発中に、営業課のメンバーがお客様のところにカクセールの図面を持って行き「こういうのはどうでしょう」と聞き取りをしてくれました。
お客様から「もっとこうなった方が良いんじゃないの」と貴重なご提案をいただき、そのおかげで本当に必要とされる製品を作ることができました。
社内のメンバーだけで話し合っていてもどうしてもドツボにはまってしまい、そのまま製品化しても必要とされません。カクセールが支持される製品になった背景として、こういった開発チーム以外との繋がりが大きいと思います。
戸崎 智史
工場長として、
品質の統一や生産管理をする
私は製品規格が決定した後、工場で生産に取り掛かるための各種決定から関わりました。どういう型枠の形なら製造班にとって作業しやすいか、カクセールをどう岩瀬工場で作り切るか、在庫などをどうこの工場で確保していくかなどを考えたんです。
カクセールには通常のコンクリートを使うことになりました。シキールの場合は模様が入り組んでいるので高流動コンクリートになりましたが、カクセールは模様が無いので通常のコンクリートを使うことで製品単価が上がらないようにしたんです。
製造方法は普段の土木建設用製品とほとんど同じですが、やはり宅地用製品ですからシキールと同じように色味の統一を注意して生産をしています。
本当に使いやすい製品であり続けるために、武井工業所では製品の完成後も仕様変更を重ねます。工場で製造をする私たちには、その変更に的確に応じることが求められます。設計課の方でせっかく苦労して算出した構造計算にズレを生じさせることがあってはいけません。
例えば支柱孔の形状を丸型から長方形にしたとき、支柱孔を作る部材を置く中心が取りにくい課題が発生しました。どうすれば手間をかけずに的確な位置に部材を取り付けられるのか。
いつも新製品の製造や仕様変更に対応している製造班のメンバーを集めて会議を開き、「マグネットを仕込んでおく」というアイディアが生まれました。
他にも「パッキンシールを仕込ませてコンクリートの侵入を防ごう」など、よりきれいに作るための意見も出ました。丁寧に設計されたものをみんなの知恵で実現していくのは、工場の仕事の面白さですね。
河内 啓二
製造班として、
カクセールを一つひとつきれいに作る
シキールに比べカクセールは普段扱っている土木建設用製品と同じような手順なので、それほど苦労した点はありませんが、やはり日々変化する生コンクリートを理解しながら製造することが大事です。
プレキャストコンクリート製品は、天気や気温、材料の癖によって毎日少しずつ違うものができるんです。毎日の状態を感じ取りながら、気泡を分散させるための振動掛けやコテなでなどを一つひとつ丁寧に行います。
コンクリートって良い条件が重なると、型枠から外したときにつるつるサラサラで、鏡のように光るんですよ。いつもその状態を目指していて、全ての調整やタイミングがうまくいって、型枠を外したときにきれいなものが出来ているととても満足しますね。日々一番良い状態に作り上げることが面白くもあり嬉しくもあります。
製造班全員が大切にしているのは型枠の掃除です。型枠にこびりついたコンクリートを徹底的に掃除することと、離型剤として使った油をしっかり拭き取ること。良い状態の製品を一つずつ作るために、みんなで一つひとつベストを尽くしています。
【プロフィール】日本大学 生産工学部 卒
1999年入社
趣味:野球観戦・ゴルフ
【プロフィール】筑波研究学園専門学校 建築学科 卒
2003年入社
趣味:野球・ゴルフ・子どもと遊ぶこと
【プロフィール】茨城大学 工学部 卒
2003年入社
趣味:子ども達の野球応援
【プロフィール】笠間高校 卒
2004年入社
趣味:野球