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フリードレーンVⅡ 2分割の
開発ストーリー

製造部 技術係

中塚 誠

頭を抱えることばかり。でもそれが品質管理の醍醐味かもしれません

普段はどんな仕事を
していますか?

工場で製品の品質管理全般に携わっています。主に生コンクリートの出来の管理で、季節や砂利の状態などで出来が変化するため、使う薬の量を調節するなどして製品の質を保っています。

また、生コンクリートを流し込む型枠の状態や完成した製品の並べ方など、製品を良い状態で出荷するために様々な管理をします。

正直、入社前にはプレキャストコンクリート製品は雑にやっても作れると思っていました。ですが実際にやってみると思った通りの品質を維持するにはかなり繊細な管理が必要で、大変でもあり面白くもあります。

開発での役割や、その苦労を
教えてください

開発のときにメインで関わったのは、試作品の強度試験です。
また、試作品を作る全工程に携わり、大変気を使いました。型枠から外して14日間養生することで必要な強度に達するのですが、それを待つ間にヒビが入ってしまうこともあったんです。型枠から外してリフトに乗せ、地面に置くという一連でも割れてしまうことが初期は結構ありました。

原因は形状なのか、生コンクリートなのか、置き方なのか。原因がはっきりわからないので、「どうしたらいいんだ」とだいぶ落ち込みました。

本社に「すみません、割れてしまったのでもう一度作ります」と連絡を入れるのはとても心苦しかったですね。それに中に入れる鉄筋は特別に作ったもので予備が無く、そういった段取りから全部やり直しになってしまうので、製造係の苦労も大きかったですし、作業班も相当プレッシャーだったと思います。

試作品を作るとき、
どんな工夫をしましたか?

型枠に生コンクリートを入れたあとに蒸気で蒸す工程があるのですが、寒い時期だったので少し長めにしたり、回数を変えてみたりしました。また、型枠に入れておくのは本来1日程度なんですが、少し長くして様子を見ました。型から出した後の置き方も、重ねず平たく置いたり、下に置く角材の位置を工夫したりしました。

普段の品質管理でも思うんですけど、プレキャストコンクリート製品は本当に思った通りに行かなくて奥深いですね。ちょっとしたことで思い通りにならない。生コンクリートの調合、型枠を掃除すること、蒸気をかける長さ、型枠からの外し方、様々な手間をかけてようやく良い品質のものが完成するんです。

どんな気持ちで試験を
行いましたか?

やっとの思いで試験までこぎつけた試作品を、試験機に乗せることにとても気を使いました。1度の試験で何個も試験を行うのですが、それを1つ1つ慎重に試験機にセットするので、その技術がこの製品に関してかなり上達したと思います。

試験では、私が操作盤でダイヤルを回して試作品に力をかけました。この試験に至るまでのプレッシャーが相当あったので、「頼む、成功してくれ!」という思いでしたね。

試作品に背中を向ける形で、「30kN、40kN…」と思って力をかけていくのですが、背後でみんなが静かだと試作品はまだ大丈夫で、でもそのうちに「あ!」とか「ヒビ割れです」って声があがるんです。そうやって壊したのは20個、30個、もっとだったと思います。必死で作ったものを、毎回自分自身で壊していましたね。

完成したときの気持ちは?

「終わって良かった」と、しみじみ思いました。
試験で壊れてしまうと、「もしかして自分がミスしてしまったのか」という気持ちになり、いくら万全に準備をしてもその思いは消えなかったんです。

生コンクリートの状態、試験機にセットする慎重さ、試験で力をかける方法。色々な方向に責任を感じて、「何か間違ったら申し訳ない」というプレッシャーが大きかったので、それが無くなって「良かった~」とホッとしました。

その日は「ごはん食べなくてもいいや」って思うほど、お腹いっぱいな気持ちになりました。

無事に生まれた製品を、
今どんな思いで生産していますか?

安全性能が確かな製品を1つ1つ作るために、手を抜いてはいけないという責任を日々感じています。社内ではよく、生コンクリートは『生きるの“生”』、なんて言うんです。

すごく繊細なので思った通りにいかなくて頭を抱えることも多いんですが、それが面白さだとも感じます。ちょっとしたことが原因で正直に数値に出て、塩梅を見てちょうどいい調整ができると、教科書通りの強度が出る。ちゃんと管理をすれば、ちゃんと良いものがお客様のところに行くんだなと思っていて、それが私の担当する品質保証技術の醍醐味かなと思います。

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